Pちゃんズの叡山・延暦寺詣
白雪の 消えぬにつけて 大比叡の 山の高さを 空に知るかな (桂のひと葉) 熊谷直好
叡山・延暦寺(世界文化遺産)
霊峰・比叡山は、最高峰の大比叡(標高:848m)を中心とする山々の総称で山上〜山中に天台宗総本山・延暦寺の諸堂が点在します。延暦7年(788年)、伝教大師最澄(でんきょうだいしさいちょう)が小堂を建て一乗止観院と称したのが始まりで国宝、重文なども多数所蔵し平成6年(1994年)に世界文化遺産に登録されました。
東塔(とうどう)
比叡山延暦寺の総本堂でもある根本中堂(国宝)があり、伝教大師自作の秘仏の本尊薬師如来像を祀る宝前に1200年間灯り続ける「不滅の法灯」が光り輝いています。それぞれの一宗を開基された阻師像が安置されている大講堂、戒壇院、文殊楼、法華総持院、阿弥陀堂など重要な塔堂が数多く集まっています。
根本中堂は東塔の中堂(本堂)であるだけでなく延暦寺第一の総中堂(本堂)でもあります。延暦7年(788年)、伝教大師最澄は一乗止観院(現・根本中堂)を創建し自らが刻んだ薬師如来像を安置して比叡山寺と号しました。これが延暦寺の始まりです。現在の建築は徳川家光の命により復興されたもので寛永19年(1642年)、落慶法要が営まれその後大小の修繕が加えられ現在に至っています。桁行は11間(20m)、奥行6間(11m)で中堂の前庭をコの字型に約90mの回廊が取り囲んだ入母屋作りの壮麗な建築物です。中央の大厨子には秘仏の薬師如来像祀られ、その前には開創以来1200年間灯され続けている「不滅の法灯」があります。
東塔より1km離れた西塔は山上で最も古いお堂で天台建築様式の代表とされる荘厳な釈迦堂、伝教大師の御廟である浄土院、弁慶の荷い堂と呼ばれる常行堂、法華堂や織田信長の焼き討ちを唯一免れた瑠璃堂など訪れる人達にやすらぎと神秘の世界へ導いてくれるのが西塔地域と言われています
渡り廊下でつながった阿弥陀如来を本尊とする常行堂、普賢菩薩を本尊法華堂を俗に荷い堂と呼ばれます。弁慶が渡り廊下を天秤棒にして両堂を担いだという伝説から荷い堂と称されたと伝わります。にない堂では四種三昧行という修行が行われる。四種三昧は常坐、常行、半行半坐、非行非坐からなり、常坐は90日間、食事とトイレを除き一日も休むことなく坐禅し続ける行であり、常行は90日間本尊阿弥陀如来の周りを歩き続ける過酷な行であると言われます。
西塔の中堂(本堂)で正式には天法輪堂と言います。貞和3年(1347年)に建てられた園城寺の弥勒堂を、織田信長の比叡山焼き討ち後、豊臣秀吉の命で文禄4年(1596年)に、ここに移築したものであるとされています。天台様式の典型な堂々とした風格のある建物で、延暦寺に現存する建物では最古です。釈迦堂と鎌倉時代に造られたという最澄自作の秘仏・木像釈迦如来立像は共に重要文化財に指定されている。
Tourist 2008.1.3(Thu)
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